「私たちが依頼したいタイミングと、森数さんが起業したタイミングが重なった。これはもう運命だと思いました。」

そう語るのは、CPAキャリアサポート株式会社取締役の駒井さん。 組織の成長スピードが加速する中で見えてきたのは、”支援品質の属人化”という壁、そして”再現性ある育成・マネジメント設計”の必要性という、成長企業が必ず直面する壁でした。

これまで大切にしてきた価値観を、個人ではなく組織としてどう再現していくのか──その問いに向き合うため、ユアパト森数美保に「ストラテジックパートナー」就任依頼がきたことが始まりです。

代表 中園隼人さん、取締役 駒井滋さん、取締役 金洋樹さんにユアパトの伴走によって組織にどのような変化が生まれ、成長基盤が築かれていったのかインタビューしました。

CPAキャリアサポートが目指す「生涯支援インフラ」という構想

中園さん

CPAキャリアサポートは、公認会計士試験分野において日本最大級の合格者数を誇るCPA会計学院の運営会社CPAエクセレントパートナーズを母体とした人材紹介会社です。
(※2025年 会計士合格者1,636名中、1,092名がCPA会計学院から輩出)

CPAエクセレントパートナーズでは、

・人材育成:スクール・eラーニング

・人材交流支援:コミュニティ

・キャリア支援:求人サイト、人材紹介

という三位一体の事業運営で、会計人材の”生涯のキャリア設計に伴走するインフラづくり”を推進しています。

さらに、今後は海外展開も加速しており、米国公認会計士/米国公認管理会計士に特化した人材紹介事業の立ち上げも計画しています。海外展開の一方で、国内の成長スピードも加速度的な成長フェーズに入っています。CPAキャリアサポートは、立ち上げ当初は4名体制でしたが、4年で約50名規模へと拡大。今後は70名、80名体制を見据えており、“1→10フェーズ”に突入しています。

だからこそ、 「チームとしての支援品質を伸ばし、どうやって再現性を持たせるか」が重要なテーマとして浮かび上がってきました。前職で約200名規模の組織を見ていた経験から”型化の大切さ”を強く感じていたんです。

ただ、仕組み化を進めながらも、個々の強みやスタイルを伸ばせる組織でありたい――。その両立を実現したいという想いこそが、私たちの目指す姿であり、ユアパトに伴走をお願いした背景でもあります。

”求職者ファースト”を組織で体現するために──森数美保という選択

駒井さん

組織が急拡大する中で、私たちは「“求職者ファーストな人材紹介会社”として、求職者とどう向き合い続けるか」という課題に直面していました。そんな時に思い出したのが、森数さんでした。

私はJAC時代に森数さんと一緒に働いており、仕事ぶりや人柄、価値観に深く共感していました。真に求職者に寄り添い、その人にとって最適な選択肢を一緒に考え抜ける人はそう多くはいません。森数さんは、その数少ない一人だと思っています。

さらに私たちは、単なる専門職の人材紹介にとどまらず、事業サイドで活躍できる人材を育てたいと考えています。森数さんは、人材紹介、事業会社での採用、事業責任者、そして経営という立場を経験し、現在は起業して自ら事業経営にも向き合っている。だからこそ、「事業で価値を出せる人材とは何か」を語れる、非常に稀有な存在だと感じていました。

その経験から得られる示唆は大きく、私たちにとって学びの量も質も非常に高い。この方に伴走してもらうことには、大きな意味があると確信していました。

中園さん

駒井さんから森数さんを紹介され、名古屋まで会いに行ったことをよく覚えています。 直接お話ししてみて、 「この人なら本当に任せられる」 と腹落ちしました。他社と比較するという発想は一切ありませんでした。 私たちの選択肢は、「森数さんにお願いするか、しないか」──その二択だけでした。

依頼を待たない伴走──現場理解から必要な打ち手を描く提案型の支援

中園さん

開始当初は私や駒井との壁打ちを中心に関わっていただきました。要所要所で 「自分と同じ目線で話せる人がいる」 という安心感が自分の中には大きかったですね。

金さん

壁打ちを進める中で、「いま何を優先すべきか」という優先順位付けやタスク整理を進めてもらい、新しい打ち手の提案もいただくようになりました。

象徴的だったのが”口コミ施策”です。 “求職者ファースト”の姿勢を具体的な形に落とし込む一手として提案してもらい、ゼロから着手して、すでに50件超まで増えています。「求職者との接点を増やすうえで、有効で今すぐできる方法」 という、まさに事業視点のアドバイスでした。

森数さんの伴走の特徴は、こちらがお願いしたテーマに答えるだけでなく、自ら必要なアクションを取り、施策を見立て、実行まで伴走してくれるところにあります。

キャリアアドバイザーチームを直接見ていただく中で、森数さんの中でもCPAキャリアサポートへの理解がどんどん深まっていったように感じています。

森数

現場理解が捗ったのは、キャリアアドバイザーチームのマネージャー清水さんやメンバーのみなさんが、とても前向きに受け入れてくれたからだと思います。私が東京に行くタイミングを察して、メンバーとの顔合わせやワークショップを組んでくれたりして。

当初から「経営とマネージャーの間に入る」関わり方を想定していましたが、実際に現場のメンバーと関わる中で、どこを強化すべきかという仮説の解像度が一気に上がりました。

学びが連鎖する組織へ──5回の研修がつくった持続可能な成長の仕組み

金さん

森数さんに伴走してもらう中で、「カウンセリングの質をどう底上げするか」が課題として浮き彫りになり、全5回の研修を別途依頼しました。

研修内容はCPAキャリアサポート仕様にフルカスタマイズされ、毎回の振り返り+次回までのアクション宣言がセットで組み込まれていました。“やりっぱなしにしない”設計のおかげで、研修直後のモチベーションに任せるのではなく、確実に行動が変わる仕掛けになっていたと思います。

■受講者アンケートの一例
「感覚でやっていたヒアリングが、理論として腑に落ちた」
これまで無意識に行っていたヒアリングが、理論的に理解できるようになりました。ヒアリング内容がキャリア戦略にどうつながるのかを、より意識して捉えられるようになったと感じます。

「求職者の経験を“こちらが言語化する役割”だと気づいた」
求職者自身が言語化できていない経験や能力を、こちらが言葉にしていくためには、今の業務理解では不十分だと実感しました。職種ベースではなく、業務ベースで捉えるヒアリングを意識していきたいです。

「求職者の経験を、より丁寧に意味づけできるようになった」
これまで自分の中の基準で経験を判断してしまっていたことに気づきました。研修を通じて、求職者のこれまでの歩みを、より肯定的に言語化できるようになりました。

森数

年齢や経験に関わらず、みなさんが本当に一生懸命で、フィードバックも前向きに受け止める姿勢が印象的でした。2回目の研修の時点で「もう変わり始めている」というのがはっきり感じられました。

駒井さん
森数さんは、“言語化のプロ”であり、人を動かすことがとても上手い。私が背中で見せてきたことを、「なぜそれが効果的なのか」「どう再現できるのか」まで構造的に説明してくれました。森数さんが体系化してくれたことで、メンバーが “まず何をすればいいか”を理解し、行動が変わり始めたことを実感しています。研修の成果はこれから出てくると思いますが、“変わるきっかけ”を全員がつかんだことは、組織にとって大きな意味を持つと思います。

森数

 全員がきっかけをつかめたのは、金さんや清水さんが“浸透するためのアクション”を実施してくれたからだと思います。1〜4回目はカウンセリング技術や行動変容の理論を中心に行い、最後の5回目は 「私たちはどうありたいのか」「プロフェッショナルとは何か」 というマインド面に振り切りました。

研修の合間にメンバーとミーティングを設定してくれたり、忘れないようにフォローしてくれたことで、学びがより強固に定着したと感じています。

金さん

今では清水が“第二の森数さん”のような存在になり、学んだ内容を自らファシリテートし、社内研修として再現してくれています。研修を受けていない新メンバーにも、森数さんのエッセンスが広がっている状態です。新しいコンサルタントが増えていく中でも、「森数さんから教わったことを全員に浸透している状態を継続したい」という思いが、現場に根づいています。

学んだ価値観や技術が組織に残り続け、 CPAキャリアサポート全体の支援品質の土台になっていく。今はまさに、そんな “再現性のある学びの仕組み” をつくっている最中です。

経営が現場を任せられる信頼──マネージャーの成長を支える“もう一人の上司”

森数

清水さんからは、マネジメントや事業運営といった大きなテーマから、日常的な案件相談まで幅広く相談してもらっています。適宜やり取りを録画してチームメンバーに共有してくれることで、判断軸や考え方が組織に広がっていくよう工夫してくれています。

中園さん

以前は、清水から私に直接相談が来ることが多かったのですが、今は現場にいられる時間をほとんど取れなくなっています。そんな中で、森数さんが “マネージャーの上司のような立場”で 関わってくださっていることは、本当に心強いです。私たち経営陣が森数さんを信頼しているからこそ、「自分たちがいない場所で、マネージャーと関わってもらって大丈夫」と全幅の信頼を置くことができています。

最近では、清水から 「森数さんにアドバイスいただいた通りにやってみたら、本当にうまくいきました!」 という報告を受けることも。現場のチームを支えるだけでなく、マネージャー自身も成果につながる成長を遂げており、組織としても大きな手応えを感じています。

金さん

清水さんにとっては、森数さんはもはや“外部コンサル”ではありません。今の関係性は、「マネージャーの上司」であり、「もう一人の取締役」と表現したほうが近いと思います。

ともに高めあうパートナーとして描く未来──自立心の強い会社にこそ勧めたいサービス

中園さん
森数さんに伴走していただく中で、改めて「自分たちの良さや目指す姿を言葉にする必要性 」を感じ、現在はクレド(行動指針)づくりに取り組んでいます。メンバーの思いや価値観を言語化し、組織のカルチャーとして浸透させていくことで、“求職者ファースト”という姿勢を判断軸として保ち続けたいと考えています。

組織が大きくなるほど、軸がぶれないことは重要です。クレドは、カウンセリングやサービス品質を支える判断軸となり、今後の成長を支える大きな強みになっていくと考えています。

またこれからの一年で、組織はさらに拡大していきます。すでにM&Aで別の会社がグループに加わっており、今後はCPAキャリアサポート単体を超えたPMI領域( ポスト・マージャー・インテグレーション)での支援も期待しています。すでに相談してアドバイスをもらっているのですが、異なる価値観をどう融合し、同じ方向を向いて成長していくかが重要なテーマです。

金さん
会社のフェーズが加速度的に変わっていくので、その時に適した研修やワークショップを経営陣・取締役向けにも実施してもらえたらと思います。また、ユアパトとCPAキャリアサポートが互いの価値を広げ合い、双方が成長していく——今後もそんな関係を築いていけたら嬉しいです。

中園さん
ユアパトが最も力を発揮するのは、依頼心が強すぎない会社だと思っています。「任せきり」ではなく、「アドバイスをもとに自分たちで変えていく」──その姿勢があってこそ、支援の価値は最大化される。外注先ではなく、パートナーとして同じ目線で歩める組織にユアパトは最もフィットすると感じています。

まとめ

「森数さんに伴走してもらって気づいたのは、 私たちには”言語化されていない資産”がたくさんあったということです」取材の中で、駒井さんがこう語っていました。

CPAキャリアサポート様が直面していたのは、多くの成長企業が経験する「属人化の壁」でした。駒井さんの面談スキル、清水さんのマネジメント、メンバーそれぞれの工夫。それらは確かに存在していたのに、”個人の中”に留まっていました。

その暗黙知を、

・理論的な枠組みで整理し

・誰もが実践できる型に落とし込み

・組織全体に浸透させる仕組みをつくる

この一連のプロセスを通じて、「あの人だからできる」が「私たちならできる」に変わっていきました。みなさんの会社にも、きっと「言語化されていない資産」があるはずです。

優秀なメンバーの暗黙知が、組織の資産になっていない。経営の意図が、現場の行動に変わらない。施策を打っても、一過性で終わってしまう。

もしそんな状態にあるなら、まずは要素分解をするところから一緒にはじめませんか。組織の次の成長フェーズを見据えている方は、ぜひ無料相談フォームからお申込みください。