「Indeedやdoda、エージェントなど採用施策には取り組んでいる。 それでも応募が来ない」と悩む地方企業は少なくありません。もちろん、大手求人媒体やエージェント自体が悪いわけではありません。

一方で、都市部と同じ感覚で施策を積み上げても、地方採用では思うように採用が進まないことがあります。その背景には、単純な母集団不足だけではなく、地方ならではの“構造的な難しさ”が潜んでいることも…。

ユアパト代表の森数は、名古屋に在住。全国の企業を支援する中で、地方企業が抱える“採用ノウハウの不足”や”地方企業の苦悩”を肌で感じてきました。

本記事では、その実体験と支援実績をもとに、地方の中小・ベンチャー企業が陥りやすい罠と、“選ばれる地方企業へ変わるための5つのポイントを解説します。

「媒体を増やしても応募が来ない…」地方採用で企業が陥りやすい共通課題 

採用に苦戦している地方企業の多くは、何もしていないわけではありません。むしろ一通りの媒体を試し、それでも成果が出ず採用チャネルを増やす流れになっているように見受けます。

ただ、応募が集まらない原因は、“採用チャネルの数や種類”と別のところにあることも少なくありません。 特にIndeedやdodaのような巨大なプラットフォームでは、“検索キーワード”や“求人の明確さ”がアルゴリズムに大きく影響します。つまり、「誰に、どこで、何を伝えるか」という採用の土台が整理されないまま媒体を利用しても、ターゲットの検索画面にすら表示されないのです。

具体的には、以下のような状態に陥っていませんか?

  • ターゲットが不明瞭で、誰向けの求人なのか分からない
  • 求職者に何を魅力として伝えるべきか整理されていない
  • 自社に合う人と、どこで接点を持つべきか設計できていない

このまま求人を出しても「そもそも見られない」「見られても応募につながらない」という状況を引き起こします。

激変する地方採用市場|「通いやすさ」だけでは選ばれない 

近年、地方採用を取り巻く環境は激変しました。コロナ禍以降、リモートワークの普及により競合は近隣企業だけではなくなりました。全国の企業と比較される時代に突入したのです。

以前は「自宅から近いから」という理由だけで応募が集まったかもしれません。しかし今の求職者は、地方にいながらにして都市部企業の求人と比較しています。

今の地方採用では“求人を出せば応募が来る時代”ではなくなったのです。だからこそ「媒体を増やすこと」より、「自社はどんな人に選ばれる会社か」を理解することが大切です。

地方採用で「応募が来ない状況」を放置すると起きること 

「とにかく応募を増やさなければ」という焦りは、現場を疲弊させます。採用チャネルを増やし続けると、媒体の管理や、ターゲット外の応募者対応に追われ、採用担当者は作業を回すだけで手一杯に。これでは、立ち止まって戦略を練り直す余裕など生まれません。

さらに地方では、都市部に比べて成功事例が流通しにくく、「他にどんな打ち手があるのか」が見えにくい側面もあります。結果、「何が正解か分からない」という閉塞感が社内に広がりがっていきます。そして、現場への負荷が増加し、社員が疲弊。さらには事業成長の停滞につながってしまう事態に発展します。そうなる前に、自社の勝ちパターンを見つけることが必要です。

地方採用で自社の勝ちパターンを見つける5つのポイント 

ユアパトが支援現場で実践している、地方採用の「詰まり」を解消するポイントをご紹介します。

① 「誰でもいい採用」になっていないか見直す 

地方採用では母集団不足を補うため、ターゲットを広く設けることがあります。あるいは逆に、「せっかく採用するなら…」と理想の条件を詰め込みすぎてしまうことも。このように、必要な要件が整理されないと、誰にも響かない”薄い求人”になってしまいます。

重要なのは、「今、どんな課題を採用解決したいのか」を言語化することです。課題起点に採用要件を整理することで、求職者の琴線に触れる強いメッセージとなります。

※採用要件の具体的な作り方についてはこちらの記事をご覧ください。

② “自社にとっての当たり前”を掘り起こす 

「正直、うちの会社には目立った魅力がなくて…」

これは、採用に悩む地方企業から本当によく聞く言葉です。でも、安心してください。今、社員の皆さんが働き続けている以上、“選ばれる理由”は絶対に存在します。

まずは、ターゲットを定めた上で、今いる社員に入社を決めた理由を聞いてみましょう。

■質問例

  • 何が入社の決め手になったのか
  • 他社と何を比較したのか
  • 入社後に何を良いと感じているのか

こうした声を集めると、自社にとっては“当たり前”だったことが、求職者にとっては魅力になっているケースが見えてきます。自社の特徴が見えてきたら、次は採用競合と比較「どんな会社として認識されたいか」を整理していきましょう。

例えば、近隣が大手企業が多い工業地帯だったとします。その場合、給与や待遇では勝負になりません。一方で、裁量の大きさや意思決定スピード 、経営との近さなど、大手企業にはない魅力を打ち出した方が、求職者に響きます。

大切なのは、“自社が伝えたいこと”ではなく、「ターゲットにとって魅力的か」「このフェーズのターゲットが知りたい情報は何か」を考えることです。“候補者目線”で必要な情報を言語化できるかが、応募数や応募者の質に影響します。

自社分析のススメ方~5つのステップ~と自社の魅力を見つける10の質問

③ “有名な手法”ではなく、“会いたい人と接点を持てる手法”を選ぶ 

地方採用では、「有名だから」という理由ではなく、ターゲットの行動動線に合わせた採用チャネルを選ぶことも大切です。

例えば、地元志向の強い層を採用したい場合は、地域媒体や地方密着型エージェント、学校・アルムナイなど地域ネットワークが機能する傾向にあります。一方で、若手層を採用したい場合は、SNSや採用広報、カジュアル面談など、“まず会社を知ってもらう接点”の方が効果的かもしれません。

また、エンジニアなど専門職では、リモート勤務の可否によって母集団が大きく変わります。Uターン・Iターン層では、オンライン面接や面接交通費の支給、自治体の移住施策との連携が応募ハードルを下げることもあります。

「この地域ならこの手法」と一律に考えるのではなく「ターゲットの不を解消する接点」を設計する。つまり、「どの媒体を使うか」ではなく、「ターゲットとどう接点を作るか」が成果を左右するのです。

④ “働くイメージ”まで具体化する 

「風通しがいい」 「裁量がある」こうした表現はスルーされます。求職者が知りたいのは、“抽象的な魅力”ではなく、“具体的な未来の姿”だからです。

例えば、「入社3ヶ月でこのプロジェクトを任せる」「午前中は現場、午後は代表と経営会議」入社後の時間割が想像できるレベルまで具体化してください。

特に地方採用では、企業名だけで応募が集まる事例は多くありません。認知度が首都圏の企業ほど高くないからこそ、情報の具体性が「安心感」と「信頼」に変わります。

⑤ “感覚採用”に終止符を。地方採用こそデータドリブンに 

地方採用は、首都圏以上に“エリア特性”の影響を受けやすい傾向にあります。同じ職種でも、地域によって応募経路や候補者が重視するポイントが変わることもザラです。さらに地方では都市部ほど応募データが集まりません。そのため、“1件の応募”から得られる情報価値が高くなります。

実際、データを振り返ってみると、「応募が少ない」のではなく、「ターゲットと媒体が合っていなかった」 「面接前の離脱が多かった」 「求職者に誤ったイメージが伝わっていた」など、本当の課題が見つかることもあります。

ただ、地方企業では、採用管理システムを導入しておらず、数値管理まで手が回っていないこともあります。その結果、どこに課題があるのか整理できないまま、「媒体を増やす」「エージェントを広げる」といった施策が先行しやすくなってしまうのです。

地方採用で成功を導くには、“他社の採用事例”を真似することより、「自社の採れ方のクセ」を可視化する。これがユアパトが最も重視する「組織の自走」への第一歩です。

データドリブン採用の進め方

【事例】「地方だから採れない」という思い込みを打破 

ここで、中部地方の老舗メーカーの事例をご紹介します。この企業は、ハローワークやエージェントを中心に採用を進めていました。採用が難航している理由を整理すると、課題は“応募不足”ではないことが見えてきました。

地方企業が抱えた本当の課題

例えば、エージェントには「主体性がある人」といった抽象的な人物像しか共有できていませんでした。「どんな経験を持つ人が欲しいのか」「入社後にどんな役割を期待しているのか」が十分に伝わっていなかったのです。また、データ管理をしていなかったため、候補者がどの段階で離脱しているのか把握できていませんでした。そのため、肌感覚で「応募が来ない」という結論に至っていました。

こうした状況を踏まえ、まず着手したことは、“採用の土台”を整理することでした。

■実施した施策

  • 採用要件の整理
  • エージェントとの認識合わせ
  • 選考データの可視化

データを可視化すると、課題は“応募数”ではなく、“一次選考参加までの辞退率”にあることが判明。そこで、候補者が参加しやすいよう、選考フローやコミュニケーション設計の見直しを実施しました。

“採用の土台”を整理した効果

結果、

  • 一次選考参加者数:約2倍
  • エージェント紹介数:約2倍
  • 内定者数:倍増

と、採用成果が大きく改善しました。

この事例で印象的だったのは、「地方だから採れない」と思い込んでいたことで、本来の課題が見えなくなっていた点です。“人がいない”で終わらせるのではなく、自社や地域特性に合わせて採用を見直していくことが大切といえる事例です。

※補足

実はこの事例、エージェントコミュニケーションの改善も成果を出した要因の一つでした。エージェントコミュニケーションについてご興味ある方はこちらの記事もご覧ください。

「何を変えるべきか判断しづらい」地方採用の難しさ 

自社だけで採用を見直していると、どうしても「今までのやり方」の延長線上で考えてしまいがちです。過去の成功体験や現場感覚が残っているほど、“今までのやり方を変えること”に不安が生まれます。課題が見えていても施策を変えきれず、同じ採用手法を続けてしまうのはこのためです。

こうした時に有効なのが、採用のプロの視点を取り入れることです。ユアパトが外部パートナーとして入る価値は、単なる実務の代行ではありません。「貴社の組織にフィットした勝ちパターン」を提示し、意思決定の背中を押すことにあります。

地方採用は“頑張っているのに成果につながらない”状態になりやすいからこそ、採用のプロの視点を入れ、課題を整理することが採用につながります。

まとめ

「大手媒体に掲載する」「応募数を増やす」だけでは、採用成功につながりにくい時代になっています。実際には、採用要件や魅力の伝え方、接点設計、選考フローなど、“採用全体”を見直すことで改善する可能性も大いに見込めます。一方で、通常業務と並行しながら、自社だけで課題を整理するのは簡単ではありません。

ユアパトでは、「なぜ応募が来ないのか」「どこに課題があるのか」を整理し、採用成功はもちろん、強い採用チームづくりまで支援しています。

「何から見直せばいいか分からない」
「今の採用手法が自社に合っているのか不安」

そんな地方企業様は、ぜひ一度ユアパトの無料相談にお問い合わせください。