「あのとき、知らなかったことで損をするところでした。」

こう話すのは、ものづくり企業専門の採用支援を行う株式会社つなぐ(以下、つなぐ)代表 田熊 聖樹様。

事業の成長に伴い、初めてフルタイムの正社員を迎える直前──「労務整備が追いついていない」「法律や制度の抜け漏れがないか不安だ…」と感じていたといいます。

そんな不安に直面していたタイミングで、ユアパトの労務相談と制度づくりの支援が、“組織の安心の土台”を築く大きな一歩となりました。「整えておけばよかった」が「整っていてよかった」に変わるまでのプロセスを、田熊さんの言葉で紐解きます。

“成果が出てはじめて報酬”──ものづくり企業に特化した「つなぐ」の流儀

田熊様

株式会社つなぐは、企業と個人が互いの“らしさ”で繋がる世界を実現することをミッションに、採用支援・採用代行・ブランディングサービスを提供しています。私の人材エージェントでの経験を活かし、クライアントと求職者の双方にとって納得感のある意思決定を支えるため、「採用事務局」のような立ち位置で面談を代行する点も大きな特長です。

また、つなぐのこだわりは報酬形態にも表れています。スカウト数や作業量ではなく、「入社」という成果に応じた完全成果報酬制を採用。本質的な成果に真正面から向き合えるパートナーシップを大切にしています。

当時は業務委託やアルバイト中心のフルリモート体制でしたが、事業成長に伴い、初めてフルタイムの正社員を採用することに。ところが、条件通知書を自作するも、「これで本当に大丈夫なのか?」と不安が募る日々を送っていました。経営に集中したいタイミングで、労務面の不安が足かせになる──そんな危機感から、信頼していたユアパトの森数美保さんに相談を持ちかけました。

社労士事務所ではなくユアパトに──”らしさ”を守り抜くパートナー

田熊様

ユアパトを知ったきっかけは、森数さんのX(旧Twitter)アカウントでした。投稿から伝わる人柄や視点に共感していて、「オープンドア(カジュアルな1on1)」に申し込んだのがはじまりです。

話してみると、世の中の「こんなはずじゃなかった」を減らしたいという、つなぐに通じる思いを持っていることがわかり、信頼は深まっていきました。

その半年後、社内コミュニケーションのあり方や行動指針をどう設計するかで悩んでいた時期があり、「これは森数さんに相談しよう」と思ってスポット支援を依頼しました。森数さん自身がフルリモート組織の運営を経験されていて、実務のリアルと経営の視点をバランスよく踏まえたアドバイスをしてくれ、その時の課題はすぐにクリアできました。

だからこそ、今回も迷わずユアパトに相談することにしました。前回の相談でも感じましたが、森数さんは社労士の資格もお持ちで、法的な観点を押さえたうえで「どうすればこの会社らしい制度になるか」という視点からアドバイスをくれることもポイントとなりました。

一般的にはこうした労務の整備は社労士事務所に依頼するケースが多いかもしれません。でも私の中では「法律通りに整備したい」のではなく、「”つなぐらしさ”を守りながら整えていきたい」という思いがありました。

ユアパトなら“守るためだけの制度”ではなく、経営の意図や組織のカルチャーを制度に翻訳していく“設計パートナー”として伴走してくれる。そんな期待と信頼感を持てたことが依頼の決め手でした。

「就業規則を作らなきゃ」に待った──“ポリシー”という柔軟な選択肢

田熊様

私は「正社員を雇うなら、就業規則を作らなければ」と思い込んでいました。 でも、森数さんから返ってきたのは「まずは雇用契約書や規程類を整えましょう」「就業規則よりも“働き方ポリシー”が今のフェーズに合っていますよ」という提案だったのです。正直、「そんな選択肢があるのか!」と驚きました。

“規則”と聞くと、「縛られるもの」という印象が強かったのですが、ポリシーなら前提として変化に対応できる柔軟性があります。すでにあった行動指針やコミュニケーションポリシーとも並べやすく、「こういう会社を目指している」というメッセージも社員に伝えやすい。フェーズ的にもフィットしていると感じました。

さらに、何を整備すべきか曖昧だった部分も、「これは今やるべき」「これは後でも大丈夫」と、法律と事業成長の両面から優先順位を整理してもらえたことで、それまで抱えていた不安がスーッと引いていきました。

森数
ユアパトでは、制度整備を「リスク回避のための義務」ではなく、「経営者の想いや会社の“らしさ”を守る手段」だと考えています。

経営者が「社員のために」と思って整えようとしているのに、知らずにリスクを抱えてしまう──そんなことを防ぐため、今回も制度の“型”ではなく、“つなぐらしさ”と生産性の両立を意識して、既存ポリシーとの整合も含めて設計させていただきました。

田熊様

ありがたかったのは、法的な観点に加えて、事業や組織運営のリアルを理解したうえで選択肢を提示してくれたことです。「これはリスクとしてあり得ますよ」「このタイミングであればこちらが良いかもしれません」といった具体的な示唆があったからこそ、「先を見据えた上で今はこれでいこう」と納得感を持って意思決定できました。

先回りでリスクを回避──「今知れてよかった…」の連続

田熊様

知らなかったでは済まないことが、こんなに多いとは思いませんでした。たとえば、労働時間の設定や給与体系についても「一見問題なさそうに見えて、実は日々の業務に支障が出かねない設計になっていた」ということがいくつかありました。「このままだと実務の集中を妨げる可能性があるので、こういう設計にすると良いですよ」と教えてもらって、仕組みの見直しにつながりました。

他にも、有給休暇を時間単位で取得できるようにしていましたが、フルフレックスとの相性や管理工数の観点からアドバイスをもらいすぐに変更。有給取得義務を踏まえた管理方法も提案していただき、一気に整えることができました。

自分では気づけなかった制度設計上のリスクや、運用における見落としがあって──それをひとつひとつ丁寧に教えてもらえたことで、「あの時、知れてよかった…」という安心感が生まれました。“今の制度が、将来どう効いてくるか”まで見据えた支援。それこそが、ユアパトならではの強みだと感じています。

経営メッセージと制度は地続き——“つなぐらしさ”を確立した瞬間

田熊様

働き方ポリシーをつくる過程で、印象深い出来事がありました。きっかけは、お客様対応のレスポンス速度をどうポリシーに盛り込むかという場面。

弊社には多様な働き方のスタッフがいるので、「人の稼働スタイルによっては、レスポンススピードを守れないことがあるかもしれない」という意見が出ました。その瞬間は「柔軟な働き方を認めているのに、矛盾させたくない」と思い、メンバーの意見に心が傾きました。

でも、森数さんに「つなぐ様は採用代行を担っています。クライアント企業の就業時間内に発生したことへの対応が遅れると、提供価値が下がるリスクがありませんか?」と言われて、ハッとしたんです。

メンバーの働きやすさを大事にしたい気持ちはもちろんある。でも、同時に「つなぐが届けたい価値は何か」「自分たちの強みを守るにはどうすべきか」まで視点を広げることで、「お客様対応の質は落とさない」という明確なスタンスが固まり、ポリシーにもその姿勢を反映しました。

この時、会社の軸がひとつ定まった感覚がありました。「制度はルールではなく、経営メッセージを伝える手段」——森数さんのこの言葉が、本当に腹落ちした瞬間でもありました。制度に“自分たちらしさ”を込められたあの瞬間は、今振り返っても、私たちにとって本当に大きな転機だったと思います。

”つくる・伝わる・変わる”──社内への浸透まで支える伴走

田熊様

制度や契約書が整ったあとは、社内のメンバーへの伝え方が次の課題でした。「形は整ったけれど、どう伝えれば納得してもらえるのか」「こちらの意図がきちんと伝わるのか」。

そんな悩みにも森数さんが「こういう順番で伝えてみましょう」「背景をこう話してから入るといいですよ」と具体的にアドバイスしてくれました。実際にその通りに話してみると、メンバーもすんなり理解してくれて、お互いの納得感も高まったと思います。

制度は“作って終わり”ではなく、“どう伝えて、どう受け止めてもらうか”が本当に大事。そこまで含めて支援してくれるのが、ユアパトの大きな価値だと改めて感じました。

創業期だからこそ整えてほしい──後回しにしない経営判断を

田熊様

理念、行動指針、コミュニケーションポリシー、そして働き方ポリシー。これらは、できるだけ早い段階で整えるべきだと実感しました。人が増えれば増えるほど、制度づくりの合意形成は難しくなるからです。

創業期は目の前の事業づくりに忙殺されがちですが、後から整えるコストや労力は想像以上です。だからこそ、「今このフェーズだから整える」ことの重要性を、多くのベンチャー経営者に伝えたい気持ちです。

ユアパトの支援は、制度を“型通りに作る”のではなく、“その会社らしさを反映させる制度”を共に考え、経営メッセージとして届けてくれます。組織を強くする“攻めの労務支援”──それがユアパトの本質的な魅力だと思います。

まとめ

経営に集中するためには、「知らなかったでは済まされないリスク」を減らすことが重要です。優先順位付け/理念とのアライン/未来を見据えたリスク想定と仕組み化──ユアパトなら、作業ではなく企業の成長戦略の一部として制度づくりや労務基盤構築を支援していけます。

もし今「整えなきゃと思いながら後回しにしている」「どこまで整えればいいかわからない」と感じているなら、ぜひ無料相談にお申込みください。「今、このフェーズだからこそ整えておく」──そんな経営判断が、未来の事業成長を支える力になるはずです。