前編では、株式会社TOWING様(以下、TOWING)の組織整備の軌跡についてお話をうかがってきました。後編では、組織整備と同時に行っていた、採用支援について詳しくお話を聞いていきます。支援開始後、19人も採用をしたTOWING様の採用活動はどのような変遷があったのでしょうか?
株式会社TOWING 代表取締役 CEO 西田宏平様、人事企画 宮内由加里様、採用担当 山口朋子様、そしてYour Patronum(ユアパト)の手塚ちひろにインタビューしました。
前編が気になる方はコチラをご覧ください。
情報共有の再構築から始まった採用改革
西田様:
ユアパト参入前は、組織の急成長に伴い、人事・採用体制が拡充の時期を迎えていました。0→10のフェーズは乗り越えたものの、10→100に移行すべきタイミングでさらなる体制強化が必要な状況でした。
当時の人事体制は、人事責任者と山口さんの2名のみでした。組織拡大に伴う業務量の増加により、情報共有や業務分散の仕組みを整える必要性が高まっていたと思います。
山口様:
その後、人事責任者の退職が決まり、採用活動は停滞し始めました。採用戦略を立てられる人材が人事責任者しかいなかったためです。
2024年は海外展開を本格化し、プラント設計など事業成長を加速させる重要なタイミングでした。そのため、どの部署でも即戦力の確保が求められていました。しかし、採用チームの体制が整わず、結果として既存メンバーの業務負担が増加するという課題を抱えることになりました。
採用体制の再構築ー数値分析による課題発見と改善
手塚:
退職予定の人事責任者からの限られた引き継ぎの中で、ユアパトが一丸となり、以下の施策を実施しながら採用体制の整備を進めました。
■採用支援開始時に実施したこと
・ジョブディスクリプションの整理と集約
・求人票のブラッシュアップ
・面接の評価軸の整理から面接評価フォームの作成
・正しい数値取得に向けたHERPのステップ変更タイミングの整理
・候補者の滞りの修正と対応の方法(メールの書き方など)
・エージェントと媒体の精査
当初、求人票は媒体ごとにフォーマットが異なり、情報の保管場所も統一されていませんでした。そのため、採用に関わるメンバーの間で求人に対する認識のズレが発生していました。この課題を解決するために、ジョブディスクリプションを一か所に集約。また、選考基準も選考官の感覚に頼る部分が大きかったため、明確な基準を言語化しました。
さらに、HERPのステータス変更ルールも見直しました。以前は「進捗中の候補者の次回面接が確定したタイミング」でステータスを変更していましたが、この運用では途中離脱した候補者がシステム上に残り続け、歩留まり率が正確に把握できない課題がありました。そこで、「選考が終了し、会社の判断が出た時点」でステータスを変更するルールに改め、より正確な採用数値を把握できるようにしました。
このように、ユアパトが採用体制の整備を進めましたが、当時採用担当として関わっていた山口様は、当時をどのように振り返りますか?
山口様:
支援開始当初から、TOWINGの一員としてコミットしていただいていたことがとても印象に残っています。人事責任者からの引継ぎをユアパトが引き受け、整理した内容をもとに的確な指示をいただいていました。そのおかげで、迷うことなく業務を進めることができました。
手塚様:
採用は、正確な現状分析と把握をした上で、適切な施策を打つことが重要です。ユアパトの支援開始時には、まずその土台を整えることから着手し、採用プロセスを回していきました。
山口様:
そうですね。レポートの数値もかなり詳細に出していただき、とても勉強になりました。また、会議のアジェンダや資料作成のクオリティの高さにも驚きました。私たちも以前からHERPのデータを抽出し、ボードメンバーへ報告していましたが、ユアパトほど詳細なデータを扱えていませんでした。今では、歩留まりの原因が明確になり、改善策を講じやすくなったと思います。
エージェント対応についてもアドバイスをいただき、非常に頼もしく感じました。例えば、募集ポジションの職種に強いエージェントを提案していただいたり、対応方法や伝え方にも的確なアドバイスをいただきました。手塚さんがエージェントでの経験をお持ちだったからこそ、していただけた提案だったと思います。
手塚:
エージェントとの交渉は、どこまで要望を伝えるかの線引きが難しいものです。特に、よりスピーディーにクロージングしていくためには、戦略的な交渉が求められます。私の経験を活かし、ご支援できたことを嬉しく思います。
実務+αの採用支援!認知度を高めるトータルソリューション
手塚:
ご支援をしている中、採用ピッチ資料と採用サイトの制作、コーポレートサイトの制作ディレクションのご依頼もいただきました(詳しくはコチラ)。

採用ピッチ資料については、すでにご活用いただいているかと思いますが、実際の使用感はいかがでしょうか?
山口様:
これまで会社案内の資料はありましたが、採用専用の資料はありませんでした。現在は、採用担当だけでなく、マネージャーがカジュアル面談を行う際にも活用しています。
宮内様:
入社したばかりの頃に、会社の情報がまとまった資料があることで、自社理解を深めることができたので、とても役立ちました。入社直後でまだ会社についての知識が少ない中、資料を活用して説明できたので、大変助かりました。
約8ヶ月で19人の社員が入社!ユアパトの支援が生んだ成果
山口様:
この1年で、採用の優先順位の付け方や役員、他部署への提案・働きかけの方法を学ぶことができました。それまでは自分から提案する機会が少なかったのですが、少しずつ発信や提案の機会が増えてきたことを実感しています。
また、以前は、全職種のスカウト対応を私一人で行う必要がありましたが、ユアパト側で難易度の高い職種を中心に支援してくれました。こうしたスカウトを継続的に送るアクションによって、即戦力人材の採用成功につながったと感じています。
結果として、2024年7月から2025年2月までの間に、正社員19人を採用することができました。ユアパトの支援があったことで、私自身がスピード感を持って候補者対応に集中できたことが、この成果につながった大きな要因だと思います。
採用の型化とノウハウ定着へーTOWINGの採用強化プラン
西田様:
人事責任者が退職し、採用の勢いが落ちるタイミングで支えていただき、採用活動のアウトプットを維持しながら進めることができました。事業成長に耐えうる体制はかなり整ってきたと思いますが、TOWINGがさらに飛躍するためには、今後はより一層の推進が必要です。
基盤は整ったので、次のステップとして、ユアパトの採用ノウハウを社内に定着させ、採用プロセスの型化を進めることが、今後1年のテーマだと考えています。また、今後は海外の現地メンバーの採用も予定しているため、国内外問わず自社にフィットする人材を採用できるよう、引き続きサポートをお願いしたいと思っています。
手塚:
本日はインタビューのお時間をいただき、誠にありがとうございます。また、取締役COOの木村様が「採用要件の考え方が非常に勉強になっている」とお話されていたとうかがいました。みなさまのお役に立てていることを各方面から知ることができ、大変嬉しく思います。今後も採用戦略の高度化を進めながら、TOWING様の成長をサポートしていきます。
まとめ
未来を見据え、組織と採用についてユアパトとパートナーシップを結ばれたTOWING様。早期にご相談いただいたことで、19人の増員にも耐えうる組織基盤の構築と人事制度設計を適切なタイミングで実現することができました。今後も組織と採用を両輪で支援し、TOWING様の事業成長を支えていきます。
「採用も組織もどちらも課題がある」「今後の成長に自社の組織が耐えられるかが不安」というスタートアップ企業の皆様、ユアパトに相談してみませんか?事前の対策により、これから直面する可能性のある組織の壁を乗り越え、成長を加速させるヒントが見つかるはずです。