組織課題が顕在化し、事業に影響が出てから初めて対処を考える企業が多い中、株式会社TOWING様(以下、TOWING)は組織課題が大きくなる前に組織と採用体制の整備を行いました。なぜ、そのような判断ができたのでしょうか?

気になるその理由を、株式会社TOWING 代表取締役 CEO 西田宏平様、人事企画 宮内由加里様、採用担当 山口朋子様、そしてYour Patronum(ユアパト)代表の森数美保に提供しているサービスについてお話を聞いてきました。

早期に組織整備をすることで、どのようなメリットがあったかをお伝えしていきます。

サステナブルな次世代農業を起点とする超循環社会を実現するアグリテックベンチャー

西田様:

TOWINGは、高機能バイオ炭「宙炭」を駆使し、土壌問題、食料問題、環境問題の解決に挑む、2020年に設立した名古屋大学発のベンチャー企業です。日本だけではなく、海外にも事業を展開。加えて、「持続可能な超循環型農業を地球・宇宙双方で実現する」ことを目標に掲げ、NASAが推進する有人月面プロジェクト「アルテミス計画」への参画を目指しています。

2024年は国内初のプラントが稼働をはじめ、海外展開が本格化。社員も1.5倍ほどに増え、事業も組織も大きな変化がありました。

信頼の連鎖 ー 繋がりのない中で始まったパートナーシップ

西田様:

TOWINGは成長フェーズにありながら、人事機能が十分に整備されていないという課題を抱えていました。当時、社員数は約30名ほどでしたが、人事の仕組みはほぼゼロの状態。自社に合ったアクションプランや適切な施策のタイミングが分からず、模索していました。

書籍やネット、知人から情報を得ても、自社の状況に最適な施策、アクションプラン、スケジュールがわからなかったので、壁打ちできる相手を求めていました。

加えて、スタートアップの先輩から「組織課題には早めに着手した方がいい」というアドバイスを受けていた影響もあり、私自身、「早急に手を打たねば」という強い危機感を持っていました。そんな折に、知人の紹介でユアパトを知ることになったのです。

森数:

TOWING様をご紹介いただいたのは、ちょうどユアパトが創業したタイミングでした。創業時のクライアント様は、以前から繋がりがある会社が多かったのですが、TOWING様はこれまでの繋がりがない中でご依頼をいただいた、珍しいケースでした。

西田様:

信頼している経営者の方々に森数さんと一緒に働いた方がいらっしゃったので、どのような人か聞いたところ、全員が「森数さんは信頼できる方だ」と口を揃えていました。自分が信頼する人たちが信頼する方であれば、間違いない。そう確信し、ユアパトに依頼することを決めました。

組織の横と縦のズレの正常化!ユアパトがもたらした変化

森数:

支援を開始した当初、ボードメンバーは、それぞれの持ち場で全力を尽くしていました。しかし、横断的な質問を投げかけると、全員がまったく異なる悩みを抱えていることが明らかになりました。

「今はそういうことで悩んでいたのか」
「経営会議では気づかなかった」
「今、優先的に進めるべきなのはこれなんだ」

といった声が次々に上がり、認識のズレが可視化されました。その結果、私たちが支援すべき最もインパクトのある課題と、TOWING内部で解決すべき課題を明確に切り分けることができました。共通言語を確立し、認識を言語化することで、経営の一体感を高める重要なステップになったと考えています。

西田様:

経営会議では日々議論していましたが、メンバー間で考え方の違いがあることに驚きました。森数さんからの問いかけを通じて意見を交わすことで、ボードメンバー同士の認識のすり合わせが進み、仕事の進め方にも変化が生まれました。

構造的な変化があったことで、私自身も情報のキャッチアップがしやすくなり、組織の透明性が向上。採用や人事施策への連携がスムーズになりました。

また、社員とのコミュニケーションにも良い変化がありました。以前は、私がボードメンバーから情報を集約し、採用や人事チームに伝達していましたが、思うように私の考えが伝わらず、施策に反映されないもどかしさがありました。

けれども、森数さんとのやり取りで、レポートラインを整理し、目的に合わせたコミュニケーションを行うことができ、今ではより効果的に情報を伝えられるようになったと感じています。

自走を促す!ユアパトの実践型アドバイザリー支援

森数:

2024年4月から支援を開始し、主に以下の施策実施の企画〜運用まで支援をしてきましたが、事前に抱いていたユアパトへの印象とのギャップはありましたか?

■組織アドバイザリー支援で実施したこと
・組織図を描いて採用方針を決める
・各機能の役割や責任、権限の言語化
・コミュニケーション、会議のポリシー策定
・人事ポリシー策定
・人事制度策定
※別途、採用支援についても実施しており、記事の後編にてご紹介します。

西田様:

支援を開始してからも、事前に抱いていた印象とのギャップはありませんでした。とても丁寧に対応していただいており、採用・組織・労務など幅広い領域を相談できるので、心強い存在です。現在も人事制度の運用に向けた取り組みを進めていますが、その過程で発生する事象や、社員への伝え方についても的確なアドバイスをいただいています。

宮内様:

本当にそうですよね! 社内の困りごとやトラブルにもすぐに回答してくれるので、とても頼もしいです。

私自身の話になりますが、2024年夏に入社し、人事制度設計のプロジェクトに途中参加しました。人事制度の設計経験はなかったのですが、森数さんが知識や資料を提供してくださり、わからないことがあっても気兼ねなく質問できる環境でした。私にとって森数さんは、先生のように導いてくれる存在です。

西田様:

宮内さんの成長は本当に目覚ましいですね。森数さんのおかげで、人事企画としてどんどん自走できるようになってきたと感じています。ボードメンバーとのやり取りもスムーズになり、それを人事や採用に適切に連携できるようになったのは大きな変化だと思います。

視座を上げ一流を目指す!チームTOWINGが目標とする次の頂

西田様:

当時は、部門と採用の連携がスムーズにいかず、噛み合っていない状況でした。しかし、ユアパトの支援により、部署間の連携スピードが飛躍的に向上し、採用活動の進捗数も増やせるようになりました。その結果、よりレベルの高い組織課題に向き合えるようになったと感じています。

現在の課題は、採用難易度の高い職種の選定基準です。「少し粘ってでもスキルの高い人材を採用するべきか?」といった判断や、人事戦略と事業計画を連動させたプランの策定に取り組んでいます。

宮内様:

さらに、会社全体の仕組みや、人事に関する体制をより強化していきたいと考えています。人事主導で会社のメッセージを現場に浸透させ、一丸となって組織と事業の成長に向き合える体制をつくることが重要だと思っています。

西田様:

この一年で森数さんには、私たちの視座を引き上げてもらったと思います。一流を知らなければ、その頂を目指すこともできません。ユアパトから「どのようなチームを目指せばいいのか」「強い採用チームとは何か」を示してもらいながら、実践的に手厚くサポートしていただけたことは、TOWINGの成長に大きく影響をもたらしてくれました。

ユアパトは組織と採用のサムライ業(士業)!組織への早期対処が急成長を支えるカギ

西田様:

ユアパトは、常に指針を示してくれるだけでなく、今後起こりうる組織の壁や課題を予測してくれます。私にとって、ユアパトは弁護士や税理士のような「サムライ業(士業)」的な存在です。素人が数時間、あるいは1日かかる作業も、プロに依頼すれば5分で高品質に仕上がるイメージ。その道のプロフェッショナルに頼ることで、組織が驚くほど進化するのを実感しました。

特に、20〜30人規模のスタートアップは、早めに相談すべきだと思います。というのも、この時期から組織や人事の仕組みを整えないと、急激な人員増加や事業成長に耐えられなくなるからです。実際、TOWINGもこの8ヶ月で正社員が19人増えました。もし相談するタイミングが遅れていたらと思うと、ゾッとします。

組織整備や制度設計には、想像以上に時間がかかるものです。そのため、早い段階から専門家とともに自社にフィットする組織の在り方を見つけることが、事業の成長に不可欠だと改めて感じています。

まとめ

組織と採用の双方を支援した結果、TOWING様では組織運営の透明性が向上し、社内の連携もスムーズになりました。事業成長に集中するあまり、組織や採用の優先順位を下げてしまうと、課題が顕在化したときには手遅れになり、最悪の場合、組織の崩壊につながることもあります。こうしたリスクを避けるためにも、早い段階で組織基盤を整えることが重要です。

20〜30人規模のスタートアップの皆様、自社の組織コンディションをチェックしたいとお考えなら、ユアパトに相談してみませんか? 今後の急成長に耐えられる組織かどうかを診断し、ともに最適な対策を考えていきます。

後編では、19人の採用を実現した採用支援サービスについてご紹介していきます。

ユアパトと実践した先手の採用・組織戦略とは?